2022.3.28

30系アルファード、ハイグレードモデルの取付。

トヨタ30系アルファードにハイグレードモデルスピーカー「SP-T300M」の取付をさせていただきました。

30系アルファード/ヴェルファイアでは、フロントガラスの傾斜角度が極端に浅く、トゥイーター装着場所がかなり奥まった場所に位置しているため、手が届きにくいですが、ぴったりの工具を見つけて使っています。手前のラチェットハンドルですが、ハンドルのグリップをひねるだけでビット/ソケットが回転するので、ハンドルを振らなくても狭い空間でボルトの緩め、締め付けができる優れものです。

で、トゥイーターの交換完了しました。

ドアスピーカーも純正形状でアルミバッフルの上に77㍉ウーファーモジュールを装着し、交換作業完了です。ユーザー様は、他メーカーの「アルファード専用スピーカー」をすでにお手元に持っている状況でしたが「ソニックデザインが気になって聴きに来ました。」と。

装着後、納車前のサウンドチェックでは「こっちのスピーカーにしてよかった!」とご満足いただけたようで、一安心です。

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その高音質を再現するための特徴である「エンクロージャーボックス」。

この楕円形のエンクロージャーボックス内にはソニックデザイン独自技術の「Gチューナーバスレフポート」と呼ばれる渦巻き状のポート(筒状、パイプ形状の空間)が収められています。

でも、この「Gチューナー」「バスレフポート」。

①そもそも「バスレフポート」ってなに?

②そこで何がおこっているの?

ふ~ん。

③で?「Gチューナー」がどうしたの?

がわかんないと、この技術をアピールしている意味がさっぱり分からないと思うので、ちょっとだけ説明しようと思います。

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①そもそも「バスレフポート」ってなに?

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ボックスの表面上からは穴が開いているだけのように見える「バスレフポート」。

この穴の後ろにはパイプ形状の「共鳴管」がつています。

このパイプの「太さ」と「長さ」でこの穴から出てくる低音を調整して、スピーカーからの直接音とバスレフポートからの低音をちょうどいい具合に調整します。

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②そこで何がおこっているの?

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このパイプの「太さ」「長さ」がなかなか厄介で、細くするほど短くても済み、太くなるほど長くしなくてはいけないという特性を持っています。

管楽器のトロンボーンは、腕を伸ばして共鳴管を長くすると低音、腕を縮めて短くすると高音が演奏されますよね?

「バスレフポート」もこれと同じで、長くなるほど低音が出てくれます。

しかし、長くすると太くしなければいけません。

低音を出す管楽器って長くて太くなってますよね?

で、長くなりすぎると都合が悪いので渦巻きが何重にもぐるぐる巻きになってるじゃないですか?

あのイメージです。

じゃあ、「短くして細いパイプにすればいいじゃん!」

・・・たしかに。

でも、ストローも細すぎると息を吸ったり吐いたりしにくくなるように、細すぎると共鳴管として働くことができません。

さらに、細いと風切り音も出てしまいます。

だから、ある程度の太さ&長さが必要(=極端に短くすることはできません。)

ちょうどいい長さと太さのポートを収めるには物理的にエンクロージャーも大きくする必要が出てきますが、大きくするにも車のドアに装着するには限界があります。

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③で?「Gチューナー」がどうしたの?

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できる限り長いポートを装着するために「渦巻き形状」の「G字」描くようなポート形状へとたどり着いたようです。

そうです。

ぐるぐる巻きです。

これ。

↓↓↓↓↓↓↓スバルマガジン、裏表紙の広告の写真に写っている渦巻き状のポートです。全長が264.56㍉もあるそうです。

まっすぐなポートでは、エンクロージャーの中に収めるスペースが確保できません。

もう、2桁年数も前になりますが、エンクロージャーボックスを制作していた頃、設計してる時、ボックスの容量とかポートの長さ、太さを少しでも変えるとほかの数値が大きく変化して「ちょうどいい特性が出ない。」とか「ポートが長すぎて収まるわけないやん!」とか、限られたスペースで苦労して設計してた経験があるので、このエンクロージャーに収まったスピーカーが「買う」だけで手に入るのは、奇跡です。

確認ですが、これは「クルマ用」です。

クルマ用スピーカーの取付はデッドニングが多数派ですが、それはそれでいろいろな要素があって、良し悪しではなく、あくまでも「緻密な設計」ができるのは、やはりエンクロージャー。

ドアの違いで、形、大きさ、材質、担当者さんの技術と、最後に寒暖差。それを比べようとすると、エンクロージャーボックスとデッドニングでは、あまりにも条件が違いすぎて比べようと思ってもひじょうに難しい状況であることは間違いなさそうです。

エンクロージャーボックスがあって、単なる「スピーカーユニット」をスピーカーとして「完成品」に仕上げます。

ん~。

ん~。

ん~。

〇スピーカーユニット+エンクロージャーボックス+バスレフポートの関係って、

〇エンジン+車体+タイヤみたいな感じでしょうか?

伝わりますかね?

つまり、単体では使えない。って事です。

 

ありがとうございました。

 

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